シンデレラは騙されない
悩まし気な、難敵
だから、俺は、今までの人生、全ての責務を放棄して生きてきた。
自由という素晴らしい言葉の意味を、見いだせずにいたから。
結局、俺には自由はない。
この家の長男として生まれた俺に、自由も希望も夢の一つも何一つ。
それが数か月前の俺だった。
今の俺は、自分の目指す場所を模索している。
俺の目指す場所…
それは、麻里を幸せにする全ての世界。
麻里が100%幸せを感じる世界。
俺は何をするべきかもう分かっている。
でも、時には強引で、麻里を泣かせてしまうかもしれない。
手段を選ぶ事は慎重にしたいけれど、でも、そんな綺麗ごとでは済まされない時もある。
難敵はそこにいる。
でも、その難敵は、麻里を愛し麻里も愛している。
難敵の破壊力は凄まじい。
その攻略法を、俺は中々見つけ出せない。
もう時間は迫っているのに…