シンデレラは騙されない


私は凛様の頬に手を当てる。

「凛様、そんな恐ろしい言葉を口にしちゃいけません」

凛様はフフッと笑った。

「それくらい…
俺が麻里を守るっていうことだよ。

それと、俺のナニーは清水さんだけで十分なんだけど…」

私も凛様の肩にもたれかかったまま、可笑しくて笑った。

世間からすれば外れた事をしている私達だとしても、自然と心から笑みがこぼれ落ちる。
凛様の言うように、本当に居心地がよかった。

ううん、居心地がいいという言葉は間違っている。

愛し愛されたい…

あの時の凛様の言葉が私の心に響き渡る。
今の私達は、愛し愛されている。
だから、一緒にいるだけで心癒されて笑みがこぼれ落ちる…

パーク内で夕食を済ませ私達は閉園より少し早い時間に、ディスニーシーを後にした。
混雑する前に車を出すためだ。
レンタカーにしては豪華な外国製の車に驚きながら、私は凛様の隣に座った。




< 131 / 290 >

この作品をシェア

pagetop