シンデレラは騙されない
私は凛様の頬に手を当てる。
「凛様、そんな恐ろしい言葉を口にしちゃいけません」
凛様はフフッと笑った。
「それくらい…
俺が麻里を守るっていうことだよ。
それと、俺のナニーは清水さんだけで十分なんだけど…」
私も凛様の肩にもたれかかったまま、可笑しくて笑った。
世間からすれば外れた事をしている私達だとしても、自然と心から笑みがこぼれ落ちる。
凛様の言うように、本当に居心地がよかった。
ううん、居心地がいいという言葉は間違っている。
愛し愛されたい…
あの時の凛様の言葉が私の心に響き渡る。
今の私達は、愛し愛されている。
だから、一緒にいるだけで心癒されて笑みがこぼれ落ちる…
パーク内で夕食を済ませ私達は閉園より少し早い時間に、ディスニーシーを後にした。
混雑する前に車を出すためだ。
レンタカーにしては豪華な外国製の車に驚きながら、私は凛様の隣に座った。