シンデレラは騙されない
「姉や母はまだ何も知りませんが、俺と麻里はつき合っています。
星矢の受験が終わったら、俺からちゃんとその事を伝えるつもりです。
星矢のために受験までは、静かにしていてあげたいと思ってるので」
平塚さんは凛様は見ずに、私をジッと見ている。
麻里ちゃんの気持ちはどうなんだ?みたいな、腑に落ちない顔をして。
「でも、凛太朗君の立場じゃお付き合いまでの話だろ。
僕はその先の麻里ちゃんの未来をちゃんと考えてる。
分かった。
宣戦布告というわけだ。
受けて立つよ。
でも、凛太朗君は自分の立場をちゃんとわきまえた方がいい。
君が背負ってるものは、この日本の経済さえも動かすほどの莫大な力なんだから」
平塚さんは凛様の隣に立つ私においでと目配せをする。
私は体が動かなかった。
「麻里ちゃん…
きっと、麻里ちゃんからも言いたい事があるんだろ。
分かった、ちゃんと聞くから、だから今日は僕とデートをするんだ」