私は強くない
結婚してくれ


会社の屋上で拓真との話の後、私は圭輔にプロポーズされた。

こんな車の中で悪い、と圭輔さんは言ったけど、私は嬉しかった。
泣いてしまった私を見て、圭輔さんは慌てて車を停めた。

「な、なんで泣く?俺との結婚は嫌だった?」

泣きながら、首を横に振った。
違う、違う。
嬉しい。



「違…う、嬉しいんです…っ」

「じ、じゃあ…俺と結婚…」

「…私なんかで、いいんですか?」

「君だから、結婚したいんだよ。してくれる?」

「します、よろしくお願いします」

「やったぁ!」

そう言いながら、運転席から腕を伸ばして抱きしめてくれた。

「絶対離さないから、覚悟しろよ?」

「 私も、しつこい…ですよ?」

お互い顔を見合って笑った。

私は幸せなる。

圭輔さんと二人で…




家に帰った私は、圭輔さんに指輪をはめてもらった。これで誰も手が出せない、なんて言いながら。







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