私は強くない
拓真からの別れ話があってから、何日経ったんだろう。
人事と営業では、なかなか会う機会もないから、意識していないと気にならないようになってきていた。
付き合っている時は、会える機会が結構あったように思ったけれど、そうでもなかったようだった。
ただ、ふとした事で拓真からの視線を感じる事があるのも事実。
『別れてほしい』の答えを出していないから、出してほしいのか?なんて考える事もあるけど、拒否したからって別れなくて済む訳もないから、敢えて私からは、拓真に話かける事もしなかった。
そして、私は考えていた事を進めようとしていた。
「都築課長、お話があるんですけど、お時間とってもらえますか?」
都築課長に、時間を作ってもらおうと、手が空いた時に話しかけた。
「急ぎか?」
「出来れば….、相談したい事があるんです」
「そうか、今日は無理だが、明日なら時間取れるから、明日でもいいかな?」
「はい!明日で構いません。お忙しい所すみません」
都築課長に頭を下げた。
よしっ、明日。明日、話をしよう。
就業後、私は美波を誘っていた。
「美波、今日飲みに行かない?」
「まだ月曜日なのに、珍しくないですか?慶都さんが誘ってくれるなんて」
「いいじゃない。行くの?行かないの?」
「何、言ってんですか、行きますよ」
就業後、私達は会社近くの居酒屋にいた。
「嬉しかったです。慶都さんから誘ってくれて」
「久しぶりだもんね。ごめんね、私の事で心配かけて、金谷君にも心配かけたよね」
「私達の事はいいんです。慶都さんが、少しでも元気になってくれたら…」
久しぶりに、美波と笑って話をした。
明日に向かって、頑張っていこうって、思えた時間だった。
次の日、都築課長が時間を作ってくれた。
「どうした、倉橋。相談って」
「この間の会議の事なんですが…」
「ん?この間の会議って、今回の人事のか?」
「はい。営業部の課長補佐のポストが空くって話されてましたよね?今の樫原係長が、大阪支社に転勤で課長になるってことで。今の営業部から誰か引き上げる、って話をされてましたよね」
「あぁ、確かに。名取からの推しもあって、奥菜に決まりそうだがな…」
「……」
「どうした?」
人事と営業では、なかなか会う機会もないから、意識していないと気にならないようになってきていた。
付き合っている時は、会える機会が結構あったように思ったけれど、そうでもなかったようだった。
ただ、ふとした事で拓真からの視線を感じる事があるのも事実。
『別れてほしい』の答えを出していないから、出してほしいのか?なんて考える事もあるけど、拒否したからって別れなくて済む訳もないから、敢えて私からは、拓真に話かける事もしなかった。
そして、私は考えていた事を進めようとしていた。
「都築課長、お話があるんですけど、お時間とってもらえますか?」
都築課長に、時間を作ってもらおうと、手が空いた時に話しかけた。
「急ぎか?」
「出来れば….、相談したい事があるんです」
「そうか、今日は無理だが、明日なら時間取れるから、明日でもいいかな?」
「はい!明日で構いません。お忙しい所すみません」
都築課長に頭を下げた。
よしっ、明日。明日、話をしよう。
就業後、私は美波を誘っていた。
「美波、今日飲みに行かない?」
「まだ月曜日なのに、珍しくないですか?慶都さんが誘ってくれるなんて」
「いいじゃない。行くの?行かないの?」
「何、言ってんですか、行きますよ」
就業後、私達は会社近くの居酒屋にいた。
「嬉しかったです。慶都さんから誘ってくれて」
「久しぶりだもんね。ごめんね、私の事で心配かけて、金谷君にも心配かけたよね」
「私達の事はいいんです。慶都さんが、少しでも元気になってくれたら…」
久しぶりに、美波と笑って話をした。
明日に向かって、頑張っていこうって、思えた時間だった。
次の日、都築課長が時間を作ってくれた。
「どうした、倉橋。相談って」
「この間の会議の事なんですが…」
「ん?この間の会議って、今回の人事のか?」
「はい。営業部の課長補佐のポストが空くって話されてましたよね?今の樫原係長が、大阪支社に転勤で課長になるってことで。今の営業部から誰か引き上げる、って話をされてましたよね」
「あぁ、確かに。名取からの推しもあって、奥菜に決まりそうだがな…」
「……」
「どうした?」