私は強くない
慌てて家に帰ってきてから、何も手につかなかった。
こんな時、名取課長が側にいてくれたら…。
会いたい。
声が聞きたい。
でも、どうにも出来ない。
どうしたらいいの…私。
ピーンポーン
ビクッ
訪問を告げるチャイムが鳴った。
もしかして、拓真?
震える手で、通話ボタンを押した。
「…は…い」
「倉橋?俺だ」
「な、名取…課長」
モニターを確認して、すぐ開錠ボタンを押した。
早く来て、名取課長、早く。
名取課長が、部屋に来るまでの間が凄く長く感じられた。
お願い、早く来て。
玄関のインターホンが鳴った。
私はすぐにドアを開けた。
誰が来たか、なんて確認もいらない。
開けたドアの前に立っていた、その人の胸に飛び込んだ。
「…名取課長!」
「っ、倉橋?どうした?」
会いたかった。
この胸に抱かれていたかった。
私が欲しかった、その人がそこにいた。
「倉橋、どうした?何があった?」
「名取課長、うっ…」
また泣いてしまった。
名取課長は、優しく私を抱きしめてくれた。
とりあえず、部屋に入ろうと泣いて話が出来ない私を落ち着かせてくれた。
ソファに座り、名取課長は片手で頬に伝った涙を拭いてくれた。
私が泣き止むのを待って、優しく聞いてくれた。
「…何があった?」
私は、今日あった事を全て話をした。
話をしながら、名取課長の顔色が変わっていくのが分かった。
「…くそっ」
「名取課長…」
「済まなかった、倉橋。今回のプレゼンに俺が関わる訳にはいけないと思って、一人にしたのがいけなかったんだ。怖かっただろ?」
どうして、この人に抱かれていると安心出来るんだろう。
私は名取課長の胸に抱かれていた。
優しく頭を撫でてくれる。
「ごめんなさい。名取課長にまた迷惑をかけてしまって…」
「…何言ってるんだ。倉橋の事は迷惑なんかじゃないって。ずっと言ってるじゃないか」
そう言って、力強く抱きしめてくれた。
「名取課長」
「今日は俺、ここに泊まるぞ」
「はい…」
静かに目を閉じた私の唇に、名取課長の唇が重なった。
優しく、キスをしてくれた。
こんな時、名取課長が側にいてくれたら…。
会いたい。
声が聞きたい。
でも、どうにも出来ない。
どうしたらいいの…私。
ピーンポーン
ビクッ
訪問を告げるチャイムが鳴った。
もしかして、拓真?
震える手で、通話ボタンを押した。
「…は…い」
「倉橋?俺だ」
「な、名取…課長」
モニターを確認して、すぐ開錠ボタンを押した。
早く来て、名取課長、早く。
名取課長が、部屋に来るまでの間が凄く長く感じられた。
お願い、早く来て。
玄関のインターホンが鳴った。
私はすぐにドアを開けた。
誰が来たか、なんて確認もいらない。
開けたドアの前に立っていた、その人の胸に飛び込んだ。
「…名取課長!」
「っ、倉橋?どうした?」
会いたかった。
この胸に抱かれていたかった。
私が欲しかった、その人がそこにいた。
「倉橋、どうした?何があった?」
「名取課長、うっ…」
また泣いてしまった。
名取課長は、優しく私を抱きしめてくれた。
とりあえず、部屋に入ろうと泣いて話が出来ない私を落ち着かせてくれた。
ソファに座り、名取課長は片手で頬に伝った涙を拭いてくれた。
私が泣き止むのを待って、優しく聞いてくれた。
「…何があった?」
私は、今日あった事を全て話をした。
話をしながら、名取課長の顔色が変わっていくのが分かった。
「…くそっ」
「名取課長…」
「済まなかった、倉橋。今回のプレゼンに俺が関わる訳にはいけないと思って、一人にしたのがいけなかったんだ。怖かっただろ?」
どうして、この人に抱かれていると安心出来るんだろう。
私は名取課長の胸に抱かれていた。
優しく頭を撫でてくれる。
「ごめんなさい。名取課長にまた迷惑をかけてしまって…」
「…何言ってるんだ。倉橋の事は迷惑なんかじゃないって。ずっと言ってるじゃないか」
そう言って、力強く抱きしめてくれた。
「名取課長」
「今日は俺、ここに泊まるぞ」
「はい…」
静かに目を閉じた私の唇に、名取課長の唇が重なった。
優しく、キスをしてくれた。