私は強くない
約束の金曜日、私達は計画を進めるべく、準備にかかっていた。

「…慶都さん、時間いけそうですか?」

「大丈夫よ、この調子じゃ確実6時を回るから自然な形で、誘えるから」

「じゃ、私も仕事作りますね」

そう言いながら、計画するべく美波が、来週の仕事をし始めた。


「やっと終わった、美波は?」

「私ももう終わりです。もう6時半ですよ、どうりでお腹減ってるはずですね」

「ほんと、ご飯でも行く?私もお腹減ったし、飲みたいな」

「あ、いいですね〜。行きましょ!」

さりげなく、と思いながらも意識しているせいか、声が大きくなってる私達。

でも、それがよかったのか、飛びついてくれた人がいた。

「お、お前ら飯行くのか?」

「はい、都築課長もどうです?」

「そうだなぁ、もう倉橋とは仕事も出来なくなるしなぁ。行くか!」

考えがすぐにまとまったのか、都築課長が行くと言ってくれた。
そして、残ってる数名の社員に声をかけた。
しかも、メンバーの中に予定していた拓真の同期も。

私と美波を含めて6人。
ちょうどいい人数。
あっちも大丈夫かな…

でも、その時、美波の携帯に連絡が来てるなんて想像もしてなかった。

「じゃあ、行きましょうか?お店は決めてもいいですか?」

「倉橋に任せるよ」

都築課長に任せるよ、って言われた事で、内心ホッとしお店に向かった。


「よかったですね、橋本も入ってくれたし」

「…ほんと、そう。割と仲よかったでしょ?橋本君と拓真って」

「陽一と3人でよくつるんでるって聞いてたから、もしかしたら今回の話も少しは知ってるんじゃないかな…」

「それだったら願ったりよね」

「…うードキドキしてきた。陽一もちゃんとやってるかな」

「金谷君だったら大丈夫よ」

「だったらいいけど…」

そんな話をしていると、橋本君から美波に声がかかった。

「おー木村!陽一と結婚いつだよ?」

「え?陽一から聞いてないの?」

「あいつ、秘密主義だからな。お前の事教えてくれないんだよ」

「何それ、意味わかんないし」

「橋本君、金谷君は心配なのよ、橋本君イケメンで長身。モテるでしょ?美波取られるかも?って。だから教えたくないのよ」

「は、なんだそれ。ほんとか?木村」

「もう、慶都さん!私の事はいいじゃないですか。それはそうと、最近、奥菜ってどうなの?社で会っても、課が違うから中々話出来てないんだけど」

「拓真か?あぁ、あいつな…」

計画通りに進んでいた。
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