あの日のメロディー

楽譜を持つ手が震える。

『九条!九条!九条!九条!九条!九条!九条!』
男子たちの煽りの声に合わせてクラスのみんなが手を叩く。

私は震えながらピアノの椅子に腰を下ろす。
震えた手で楽譜をピアノの譜面台に広げる。

私は大きな深呼吸をした。
一番最初の音を鳴らすと煽りははやんだ。私はイントロを弾き始める。

ピアノを弾くのはいつぶりだろう。

でも、、





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