あの日のメロディー
「おはよう」
彼のその一言とその笑顔で女子たちはみなメロメロになってしまうのだ。

『今日もイケメン、、』
「今私のことみたー!」「いや、私のことみた!」
「みてるだけで幸せ〜」
「御曹司なのにこの平凡な学校に通って平凡な生活してる謙虚さもステキ!」

日課となってしまっている朝比奈陽翔への歓声や言い合いがうるさくて私は音楽のボリュームをさらに上げる。それでも歓声が聞こえてくる。はぁ、みんな毎日毎日飽きずに朝から元気だだなぁと呆れつつ感心しながら窓の外に目をやる。

桜の花が春風に吹かれ儚く散っていく。

まぁ、わたしには全部なんの関係もないことだけど。







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