あの日のメロディー
「近藤さん何も聞かないの?」
「あ、えっと、、」
きっと俺らな関係性を聞きたいんだろう。さっきから中々言い出せないと言う表情をしている。
「2年前、突然姿を消した天才ピアノ少女九条紅葉」
俺の想像していなかった近藤の言葉に声が出ない。
「え?」
「入学式の日、一目でわかった。私、彼女のファンなの。嬉しかった。でも、すぐに察したの彼女はもうピアノを弾いていた頃のようなキラキラ感はないって」
近藤が紅葉を知っていたなんておどろいた。
「知ってたのに何で今まで言わなかったの?」
「知られたくないんだろうなって思ったから。」
かのじょは照れ臭そうに笑った。
ああ、彼女はいい子なんだ。