あの日のメロディー

今藤さんは頬をあからめた

「私、5歳の時に初めてピアノのコンクールに出たの。それまで私はピアノの天才ねーなんてちやほやされてきた。でもあの日、初めて九条さんのピアノを聞いた時幼いながらに九条さんの演奏に心を奪われたの。あの日から九条さんのファンであり、同い年なのに私の憧れの存在なの。私は九条さんのピアノにたくさん支えられた。今もそう。」

今藤さんがこんなにハキハキと話す姿を初めて見た。
キラキラしていた。
でも私は、、、

「私はもうピアノを二度と弾かないって決めたの。それに私はもうピアノが弾けないの。。。」



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