――桐島くん。



私にはなんでも話せると言っていたチエミ。
ずっと友達だからと笑っていたチエミ。

そんなのは、嘘。

大切な人が、大好きな人がひとりいればどんなことでもする。チエミだってそうでしょう?



だから、アヤのことを傷つけたんでしょう?



黒いフードの犯人がチエミだということは分かっていた。

アヤもセイコもエリカも、みんなみんな彼に夢中。私が本命の彼女とは知らないで、彼を手に入れようと必死だった。


そんな彼女たちの傍にいながら私は、いつかみんなが消えてくれないかなって。彼のことを諦めるぐらいのダメージを負ってくれないかなって思ってた。

でも、自分の手だけは汚したくない。誰かが勝手に怒り狂ってやってくれたら楽だって思ってた願いが叶った。

まさかこんなに上手くいくなんて、自分でもビックリしてるけど。


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