――桐島くん。


考えてみれば、高校2年生になって初めてできた友達はチエミだった。

それから席が近くだったセイコも加わり、アヤ、エリカと順番に友達になり、いつの間にか5人組のグループになっていた。

サバサバしているチエミに、派手でギャルのセイコ。お姫さまで学校のマドンナのアヤに、大人しくて控えめなエリカ。


それぞれ性格も見た目もバラバラで、なんでこの5人が集まったのだろうと不思議に思うことはあるけど、みんなと話している時は本当に楽しい。

ただ、それは5人というグループでいる時の話。


単体として見ればチエミはアヤのことが苦手だし、セイコとアヤは休日でも遊ぶけれどエリカを誘ったことはない。

みんなチエミのようにはっきりとは言わないけれど、おそらく自分の中で合う、合わないがあるのだと思う。


私はあまり個性もないし、意見を主張するタイプじゃないから、わりとそれぞれに合わせることができる。みんなと連絡も取るし、ひとりひとりと遊んだこともあるけれど……。

もしかしたら、私は大丈夫でも相手から苦手だと思われてる可能性もあるし、女友達はニコニコしているように見えても心の奥底までは探れないから、本当に難しい。

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