家出令嬢ですが、のんびりお宿の看板娘はじめました
「この石は、俺が採掘士に頼んで原石からもらい受け、加工した一点ものだ。特徴的な濁りがあるだろう。明らかに、俺が昔誰かに贈った指輪だと思うんだがなぁ」
「なっ、は、離せよ」
蒼白になったニールは、レイモンドの足をけり上げた。下半身への反撃が来るとは思っておらず、レイモンドが一瞬力を緩めると、ニールは腕を振り払って駆け出した。
悪かったのは、彼が向かう先がロザリーがいる方向だったことだ。
突然近づいてくる彼に対応できず、力いっぱいニールに押しのけられる。
「どけよっ」
「え、わ、きゃっ」
体の小さなロザリーが彼の力にかなうわけがなく、後ろに飛ばされた。
しかし、転ぶことがなかったのは、ザックが受け止めてくれたからだ。
「……女性に対する態度がなってないな」
ロザリーがしっかり立ったのを確認すると同時に、ザックは怒りもあらわにニールを追い駆ける。
「待てよ」
「なんだよっ、お前。離せっ」
首根っこを掴まれ、かっとなったニールは肘でザックの顔を狙う。さっと頭を下げてそれを受け流した彼は、身を低くしたまま彼の服を掴み投げ飛ばした。
ザザッと滑る音とともに、「殿下っ」と叫ぶ数人の黒服の男たちが現れる。
「なっ、は、離せよ」
蒼白になったニールは、レイモンドの足をけり上げた。下半身への反撃が来るとは思っておらず、レイモンドが一瞬力を緩めると、ニールは腕を振り払って駆け出した。
悪かったのは、彼が向かう先がロザリーがいる方向だったことだ。
突然近づいてくる彼に対応できず、力いっぱいニールに押しのけられる。
「どけよっ」
「え、わ、きゃっ」
体の小さなロザリーが彼の力にかなうわけがなく、後ろに飛ばされた。
しかし、転ぶことがなかったのは、ザックが受け止めてくれたからだ。
「……女性に対する態度がなってないな」
ロザリーがしっかり立ったのを確認すると同時に、ザックは怒りもあらわにニールを追い駆ける。
「待てよ」
「なんだよっ、お前。離せっ」
首根っこを掴まれ、かっとなったニールは肘でザックの顔を狙う。さっと頭を下げてそれを受け流した彼は、身を低くしたまま彼の服を掴み投げ飛ばした。
ザザッと滑る音とともに、「殿下っ」と叫ぶ数人の黒服の男たちが現れる。