家出令嬢ですが、のんびりお宿の看板娘はじめました
*
朝日のまぶしさで目を覚ましたロザリーは、嗅ぎなれないリネンの香りに不思議に思って飛び起きた。
「ここ……、そうか! え? 私、いつの間に寝ちゃったの?」
アワアワしながらあたりを見回す。
ここは宿屋の一室のようだ。こじんまりとした個室だが、ベッドもベッドサイドの机も綺麗に整頓されている。スーツケースがクローゼットの脇に立てておいてあって、とりあえず全財産は失っていないとホッとした。
廊下に人の気配を感じて、こっそりと扉を開けてみる。すると、今まさにノックしようとチェルシーが構えているところだった。彼女は突然開いたドアに驚いたようだったが、ロザリーと目が合うとにっこりとほほ笑む。
「起きた? 昨日は私にかけられた疑いを晴らしてくれてありがとう」
「い、いえ。それは私だけじゃなくてザック様が」
「あなたが晴らそうって言ってくれなかったらザック様だって動いてくださらなかったわ。ねぇ、それより、体は大丈夫? あなた昨日はお酒を飲んで寝てしまったの」
「そ、そうなんですね! すみませんっ」
「元気になったのなら、働いてもらいたいんだけど、……いいかしら?」
チェルシーの微笑みに、ロザリーは目をぱちくりとさせる。
朝日のまぶしさで目を覚ましたロザリーは、嗅ぎなれないリネンの香りに不思議に思って飛び起きた。
「ここ……、そうか! え? 私、いつの間に寝ちゃったの?」
アワアワしながらあたりを見回す。
ここは宿屋の一室のようだ。こじんまりとした個室だが、ベッドもベッドサイドの机も綺麗に整頓されている。スーツケースがクローゼットの脇に立てておいてあって、とりあえず全財産は失っていないとホッとした。
廊下に人の気配を感じて、こっそりと扉を開けてみる。すると、今まさにノックしようとチェルシーが構えているところだった。彼女は突然開いたドアに驚いたようだったが、ロザリーと目が合うとにっこりとほほ笑む。
「起きた? 昨日は私にかけられた疑いを晴らしてくれてありがとう」
「い、いえ。それは私だけじゃなくてザック様が」
「あなたが晴らそうって言ってくれなかったらザック様だって動いてくださらなかったわ。ねぇ、それより、体は大丈夫? あなた昨日はお酒を飲んで寝てしまったの」
「そ、そうなんですね! すみませんっ」
「元気になったのなら、働いてもらいたいんだけど、……いいかしら?」
チェルシーの微笑みに、ロザリーは目をぱちくりとさせる。