好きって言わなきゃヤダ。【完】
キョトンとするアタシに、五十鈴は「フッ」と小さく笑う。




「そのうちきっと友達出来るよ。」




五十鈴は珍しく優しく微笑むと、教室を出て行った。




…五十鈴がアタシに優しくするなんて珍しい。


いつもは冷たいことしか言わないのに。




自分の席へと戻り、窓の外をボーっと見つめる。




別にアタシは友達が欲しい訳じゃないけど…。


五十鈴みたいにアタシのこと理解してくれる人が、


1人でも居てくれたらアタシはそれで充分だし。




でも…1人で過ごすお昼休みって退屈だよね。




今頃五十鈴は友達と楽しくバスケやってるのかな~


どんな会話するんだろう?


どんなことで笑いあうんだろう?




…う~…私にとっては、未知な領域だ…。




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