好きって言わなきゃヤダ。【完】
いきなり、なにっ?

なにがあったの…!?




目を丸くさせ、ようやく落ち着いたのを確認すると、


五十鈴はゆっくりとアタシから手を離す。




「ほら、あれ見て。告白現場だよ。」




指さされた先、曲がり角を覗くと、


女の子が男の子に何か話しているような場面だった。




あっ、ほんとだ。


女の子顔真っ赤にしてるし…


それに、あの手に持ってるのってラブレター?




「とにかく告白が終わるまでここで待つよ。」


「そうだねっ。」




アタシ達はこっそりと壁際から様子を伺いつつ、終わるのを待った。




そして案の定、女の子は持っていたラブレターを男の子に渡すと、


恥ずかしそうにアタシ達とは反対側の道へと走って行った。




女の子がいなくなった後、男の子もまた別方向へと姿を消した。




< 16 / 405 >

この作品をシェア

pagetop