好きって言わなきゃヤダ。【完】
「はい、これ。ずっと乙羽に返そうと思って忘れてたんだ。遅くなってごめんね。」




那央の手に握られていたのは1冊の本だった。




「えっ。これ…懐かしい!アタシが中学の時に那央に貸してた本だ!」


「うん。ずっと借りっぱなしになってたから。」




本を受け取り、じっくり眺める。




うわ~懐かしい。


そっか、那央に貸してたんだ。




確か中学3年生の頃だったかな。


これを那央に貸してたの。




「色々あって乙羽に渡しそびれちゃってて…遅くなってごめんね。」


「ううんっ。全然大丈夫!それより、まだ持っててくれたんだね。」




アタシのほうが貸してたことすら忘れてたのに。




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