好きって言わなきゃヤダ。【完】
「そういえば昨日、駅前の商店街で乙羽を見たよ。」


「ほんと?確かに昨日は商店街いたよっ。」




担任に頼まれて瑠衣君と買い物してたんだよね。




「声かけてくれればよかったのにっ。」


「声かけようと思ったんだけど、真剣そうだったから、邪魔しちゃ悪いと思ったんだ。…それに、瑠衣君だっけ。2人で楽しそうにしてたから、声かけにくかったんだよね。」




那央は少し気まずそうな口ぶりだった。




「そうだったんだ…っ。瑠衣君には、買い物を付き合ってもらってたんだよ。」


「…2人で?」


「うん、最初は面倒とか文句ばっかり言ってたんだけど、結局最後まで付き合ってくれてさ。優しいんだか、優しくないんだか、ほんとよく分かんないんだよね~。」




瑠衣君の話になるとつい口が止まらなくなる。




それに自然と笑みが零れてしまう。




この瞬間にも、


あ~やっぱアタシ、瑠衣君のことが好きなんだ、って実感をする。




そんなアタシを隣にいる那央が


どんな思いで見つめていたのか全く気がつかなかった。




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