好きって言わなきゃヤダ。【完】
「ならお友達からでも…!」
目の前の男の子は必死だった。
アタシに相当惚れてるのがよく分かる。
ん~…そう言われても…。
アタシは少し困った表情を浮かべる。
「えっと…そう言ってくれるのは嬉しいんだけど…。今は、誰とも付き合う気がないから、ごめんね。」
「…っ、分かりました…。じゃあせめて、これからも乙羽ちゃんのこと好きでいてもいいですか!?」
肩がぷるぷると微かに震えているのに気付く。
「勿論だよっ。気持ち伝えてくれてありがとうっ。」
そんな天使の一声に、男の子は視界を涙ぐませる。
そしてアタシにペコリと頭を下げ、この場を立ち去った。