好きって言わなきゃヤダ。【完】
「で、私に何か用?用がないなら自分の席に戻って欲しいんだけど。」


「え~別に用はないけどさ。アタシと五十鈴の仲じゃんっ。」




笑顔のアタシに五十鈴の眉がピクリと動く。




「言っとくけど、私たち友達でもなんでもないからね。❝ただの❞幼馴染なだけだから。」


「まーたそんなこと言うんだもん。」




五十鈴が冷たいことを言うもんだから、


アタシは拗ねたように口を尖らせる。




遠くのほうでアタシを観察していた男の子達が、


「何アレ、可愛すぎ」と声を漏らすのは日常茶飯事だ。




「五十鈴はアタシのこと嫌いなのっ!?」




「うん。少なくとも好きではないよ。」




グサグサッと五十鈴の言葉が胸に突き刺さるが、


これもアタシにとってはもう慣れっこだ。




「…せっかく、五十鈴可愛いんだし、もうちょっと性格直した方がいいよ。」




< 9 / 405 >

この作品をシェア

pagetop