【短】水に挿した花
「でも…」
彼女は、悔しそうに口唇を噛んで、踊ることを止める。
「貴方には分からないかもしれないけれど…たとえ命が…この命が短くなっていったとしても…。もう、今までのように、独りぼっちでいたくないの。あの人に愛されたいの…最期だけでもいい…傍にいたいの…」
彼女は、ぽとりと一雫涙を溢してから、また…ボクに顔を背けるようにして踊り始めた。
そうすることで、自分の存在をあの部屋に知らせるように…。