重なるてのひら ~ふれあう思い~
「ちぃちゃん、また一緒に遊ぼうね。」とはぁちゃん。

「和君、次は大人の忘年会をしようねぇ~」と樹先生。

「尋、俺達が出たらちゃんと鍵をかけてね。」と先生が言って………

帰って行った。

そう、イブから三日間一緒にいられるって……勝手に想像していたけど……

樹先生やはぁちゃんと一緒に、先生も帰って行ったの。

なんだぁ。

バレないように、なるべく一緒にいられないことは……分かりきっていたけど…

楽しかった分……淋しさを強く感じる。

後片づけをしながら、気を紛らせていたら

着信音が鳴って…………

「はい。」

名前を見なくても分かる…………

待っていた人。

「泣いてない?
泊まるか帰るか…………ギリギリまで悩んだけど……
結局、帰る選択をしたから。心配になった。」

そう思うなら…………居てよ。

…………………って言いたいけど………

言ってはいけない一言。

先生をこれ以上、困らせたらダメだから。

「尋の近くにいると……教師の俺より男としての俺が……強くなるから。」って

えっ?男としての俺??

近くにいたら………バレるからじゃないの??

えっ。

先生の言葉に、急にドキドキと胸が鳴り始めた。

「ごめん。怖がらせた?
でも、急に襲ったりしないから安心していいよ。
この間みたいだと………悶々として寝れなかっただけだから。」って笑ってた。

襲ったりって……。

悶々って……。

……………先生が男の人で…………彼氏なんだって……

改めて感じちゃった。

「だから、ごめんね。
お泊まりはしないけど、我慢してね。」

そんなこと言われたら…………

もう一緒にいて、なんて………言えないよぅ。
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