重なるてのひら ~ふれあう思い~
いつもと変わらないデート。

樹先生のマンションで……のんびりまったり過ごすと思ってたのに……

ガタガタと玄関で賑やかな音が聞こえたと思ったら

「尋、おいで。」と愛しい人の声。

『おいで。』と言われると、犬のように飛んで行っちゃう!

玄関に行くと

「靴を履いて、鍵を閉めて。」って。

出掛けるの??

でも……こんな格好だよ??

モコモコセーターにミニスカート。

先生と会うから……そんなに変な格好はしてないけど………

これじゃ女子高生って……丸わかり。

なるべく先生との年の差を感じないように、意識してるのに……。

ブツブツ言う私の腕を取ると…………………

隣の玄関を開ける。

「入って。」

ドアを閉めて…………

「ようこそ我が家へ!」って……。

ええっ!!

我が家??

「樹に『隣が空いたよ!変な男が越してきていいの?』って脅されて……
借りた。
お隣だと………大学もこっちにするかな?って思って。
彼氏と隣って………
ポイント高くない?」

もう~

先生も樹先生も…………無茶苦茶。

でも………嬉しい!

「先生、大好き!」

ギュッと抱きつく私に………

「ごめんねぇ~」と………申し訳なさそうに……

ニヤニヤ笑う顔が2つ。

樹先生とはぁちゃん。

…………………………………………。

そっと後ろに隠してくれる先生の肩が震えてるあたり………

こうなることが分かっての行動だと思う。

背中にちっちゃいパンチを食らわせて…………「バカ。」と呟いてみた。

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