重なるてのひら ~ふれあう思い~
「お昼にワザワザ蕎麦って言われたのに、分かんなかったんだ?」

「まぁまぁ。
それより『ちぃちゃんに内緒で驚かせる。』って言われて
私の冬休みは、丸潰れだよ!
ちぃと会うのって…クリスマスイブ以来なんだからね!」

「バイト代払っただろう。
それに、俺だって会ってない。」

「先生は自分で決めたんでしょう。
おまけに、バイト代がパフェとケーキって……。」

「教師がバイトなんて払える訳ないだろ。」

憤慨中のはぁちゃんを眺めながら………

だから『姉ちゃんと過ごしなさい。』だったんだ………と

先生の謎がゆっくり解け始めた。

至るところに見え隠れするお揃いの品物。

「基本は、隣だよ。ここは時々ね。
卒業したら、鍵をあげる。」って………そっと囁かれた。

「あぁ~やらしい!
ちぃ、窓の鍵もキッチリ閉めて寝るんだよ!
あんなにウジウジしてたのに
彼女にしたら急にオオカミになるんだもん。
隣に引っ越すなんて!」

「はぁちゃん、君も隣が空いたら引っ越すからね。」

「ウチは家族がいます。
バレても良いならどうぞ!」

はぁちゃんの照れが分かる樹先生は、はぁちゃんに

「ねぇ~はぁちゃん。
だったら、大学を期に一人立ちしようか?
なんだったら、二人で住む?卒業と同時に挨拶に行くよ?」って。

「えっ!あっ……………えっ??」

ここの教師は……………………。

でも、禁断の恋をしている二人なのに………幸せだなぁ。

ちゃらんぽらんに見えるけど…………

大人な先生達が………全力で守ってくれてるからなんだよね。

大きなリスクを背負ってでも………

出来る限りの愛情を注いでくれる。
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