重なるてのひら ~ふれあう思い~
お昼のお蕎麦を食べて帰った樹先生とはぁちゃん。

私は時々だけど…………

この大きなマンションの1つ屋根の下で、先生と樹先生とはぁちゃんと……

みんな一緒に住めるんだ!

そう思うと……ちょっとワクワクする。

先生に話すと

『尋は可愛いねぇ。
尋のルールでいくと、あっちのオジサンもそこの家族も
みんな一緒に住む?ことになっちゃうけどね!』ってからかわれた。

良いじゃん!

人がせっかく幸せな気持ちになったんだから。

今日の先生は意地悪ばっかり。

ぷいっと拗ねてたら

「樹とはぁちゃんもって言う尋が悪い。
俺と1つ屋根の下だから嬉しいんでしょ?」って。

なんだ!拗ねてたのは先生も一緒なんだ。

「もちろん、そうです。
先生が隣で嬉しい!!」

「一緒に寝ることはできないけど……。
ここなら、泣いてても……直ぐに駆けつけることができるからね。
淋しかったら、ベランダでギリギリまで話せば良いし
一人ご飯が嫌なら……いつでもおいで。
ただし、さっきも言ったけど……鍵は卒業してからね。
樹じゃないけど……
卒業したら、樹に隣を借りないで……
ここに一緒に住んでも良いって思ってる。
ご両親に殴られる覚悟で挨拶に行くよ。
尋、だから…………
大学を決める時は自分のことだけを考えて。
俺はずっと側にいるから………
一人にならないから……
安心して…………ワガママに生きて。」

先生の愛情は、どれ程深いんだろう。

高校生の私には、計り知れない。
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