恋と雨、
恋と雨
私の好きな人
私の好きな人は、担任の教師だ
教師と生徒じゃ、恋愛なんてできるはずもない
わかっている、だけど好きな気持ちなんてとめられるはずもない
小さな頃、近所のいじめっ子に「雨女」だと、からかわれていた
ある雨の日に「お前のせいで遠足に行けなかった」と
そいつらに突き飛ばされた私はそれまで我慢していた分、大泣きしてしまった
服はどろんこ、当時お気に入りだった髪留めも、ガラス製で落ちたときの衝撃に耐え切れず壊れてしまった。
まだ六歳の私は泣き始めると動くことすらできなくなって、
土砂降りの雨の中、縮こまって動かなかった、動けなかった。
「大丈夫?」
そのとき声を掛けてくれたのが、高校生の先生で
よく近所で見かける、私よりずっと弱そうなナヨナヨしたその人に助けられるのが嫌で、先生の前でもう二度と泣かないとあの日決めた。