独占欲強めな御曹司は、ウブな婚約者を新妻に所望する
「橙花ちゃん、かまわない?」
姉が律儀に私に確認する。私は迷うことなく頷く。
姉に任せることが一番安心だ。私より確実にセンスもいいし、何よりその方面に明るい。
そもそも私もパーティーに出席する予定だったなんて未だに信じられない。柿元さんはそんな私の胸中を推しはかるかのように、柔らかい表情を浮かべて言った。
「副社長は都筑様を驚かせたかったのだと思います。多忙な中、ご自身で都筑様のドレスの手配等を嬉しそうになさっていましたから」
彼の言葉に胸が詰まる。
ふいに鼻の奥がツンとしてしまう。寝る時間すらままならない多忙な毎日の中、私の知らない場所で煌生さんが私のことを考えてくれていた、その事実が嬉しかった。
「兄貴の事業なんだから、俺が手出ししない方がいいんじゃないのか。それに俺はウェディング事業のことは……」
「大輝さん、ウェディング事業についてご存知ですよね?」
彼の言葉に被せるように私は言う。
「柿元さんに伺いました。大輝さんは大量の仕事を普段から抱えている煌生さんをいつも気にしていたと。そのためウェディング事業についてもきちんと理解して、いつでも代理が務められるように、普段から様々なことを仕事の合間に勉強されていたと」
「……柿元!」
バツが悪そうな顔で大輝さんが柿元さんを睨む。副社長に睨まれ慣れているのか、彼は全く怯まない。
「専務の秘書とは同期ですので」
ニッコリ微笑む彼は、本当に敵に回したくない人だ。
姉が律儀に私に確認する。私は迷うことなく頷く。
姉に任せることが一番安心だ。私より確実にセンスもいいし、何よりその方面に明るい。
そもそも私もパーティーに出席する予定だったなんて未だに信じられない。柿元さんはそんな私の胸中を推しはかるかのように、柔らかい表情を浮かべて言った。
「副社長は都筑様を驚かせたかったのだと思います。多忙な中、ご自身で都筑様のドレスの手配等を嬉しそうになさっていましたから」
彼の言葉に胸が詰まる。
ふいに鼻の奥がツンとしてしまう。寝る時間すらままならない多忙な毎日の中、私の知らない場所で煌生さんが私のことを考えてくれていた、その事実が嬉しかった。
「兄貴の事業なんだから、俺が手出ししない方がいいんじゃないのか。それに俺はウェディング事業のことは……」
「大輝さん、ウェディング事業についてご存知ですよね?」
彼の言葉に被せるように私は言う。
「柿元さんに伺いました。大輝さんは大量の仕事を普段から抱えている煌生さんをいつも気にしていたと。そのためウェディング事業についてもきちんと理解して、いつでも代理が務められるように、普段から様々なことを仕事の合間に勉強されていたと」
「……柿元!」
バツが悪そうな顔で大輝さんが柿元さんを睨む。副社長に睨まれ慣れているのか、彼は全く怯まない。
「専務の秘書とは同期ですので」
ニッコリ微笑む彼は、本当に敵に回したくない人だ。