独占欲強めな御曹司は、ウブな婚約者を新妻に所望する
何か私は変なことを言っただろうか?
「都筑さん! 内容も確認せずに、そんな安請け合いをしちゃだめよ!」
顔色を変えながら、チーフが心配してくれる。私は顔を上げてチーフに向き直る。
安請け合いをしたつもりはない。一応、譲れない最低条件は確認した。副社長命令とあれば仕方ないことだと思う。
それに何となくだけど、この人のことは信じられると直感的に思った。まったく知らない人なのに、なぜかこの人の話を聞いてみたいと不思議なことに興味がわいた。
「羽野チーフ、ご心配いただきありがとうございます。ですが設楽ホールディングスの副社長という立場におられる方が私のような子会社の女性社員にひどいことはされないでしょうから、大丈夫です」
「だけど……」
心配の色を隠せない様子のチーフに、眼鏡の男性が声をかける。
「羽野チーフ、ご心配には及びませんよ。都筑さんの意思を尊重することはお約束します。ハーモニーガーデンの人手不足につきましても早々に解決できるよう、人事に取り計らいます。それに模擬挙式にそろそろ行かれないといけないのでは?」
その声にハッとした様子のチーフは、副社長に声をかけた。キッと彼女が彼を睨みつける。
「彼女にひどいことをしたら許さないわよ」
「当たり前だろ。俺を少しは信用しろよ」
副社長は呆れたようにそう言って、返事をする。
ふたりの気安い会話が少しひっかっかったが、気にしないことにした。私には関係のないことだ。
何かあったら絶対に報告すること、無理難題は拒否すること、と私に念押しをし、羽野チーフは急いで部屋を出て行った。
「都筑さん! 内容も確認せずに、そんな安請け合いをしちゃだめよ!」
顔色を変えながら、チーフが心配してくれる。私は顔を上げてチーフに向き直る。
安請け合いをしたつもりはない。一応、譲れない最低条件は確認した。副社長命令とあれば仕方ないことだと思う。
それに何となくだけど、この人のことは信じられると直感的に思った。まったく知らない人なのに、なぜかこの人の話を聞いてみたいと不思議なことに興味がわいた。
「羽野チーフ、ご心配いただきありがとうございます。ですが設楽ホールディングスの副社長という立場におられる方が私のような子会社の女性社員にひどいことはされないでしょうから、大丈夫です」
「だけど……」
心配の色を隠せない様子のチーフに、眼鏡の男性が声をかける。
「羽野チーフ、ご心配には及びませんよ。都筑さんの意思を尊重することはお約束します。ハーモニーガーデンの人手不足につきましても早々に解決できるよう、人事に取り計らいます。それに模擬挙式にそろそろ行かれないといけないのでは?」
その声にハッとした様子のチーフは、副社長に声をかけた。キッと彼女が彼を睨みつける。
「彼女にひどいことをしたら許さないわよ」
「当たり前だろ。俺を少しは信用しろよ」
副社長は呆れたようにそう言って、返事をする。
ふたりの気安い会話が少しひっかっかったが、気にしないことにした。私には関係のないことだ。
何かあったら絶対に報告すること、無理難題は拒否すること、と私に念押しをし、羽野チーフは急いで部屋を出て行った。