独占欲強めな御曹司は、ウブな婚約者を新妻に所望する
「さて、都筑さん、この度はお引き受けいただきありがとうございます。改めましてよろしくお願いします。私は秘書の柿元(かきもと)と申します」
そう言って柿元さんは私に頭を下げる。慌てて私も頭を下げて名乗る。
「都筑橙花と申します。穂積不動産株式会社総務部に所属しております。早速ですが、私に頼みたいこととはなんでしょうか?」
やはりそれが一番気にかかる。問題を後回しにするのは苦手だ。
早く解決して早く元の職場に戻りたい。残してきた仕事が気になる。今日は直帰でかまわないと言われていたけれど、もしかしたら早く終わって戻れるかもしれない。
「俺の婚約者だよ」
私の顔を覗きこみながら、ニッコリと魅力的な笑顔で副社長が言い放つ。
「……は?」
たっぷり十秒間ほどその言葉を考えて、出た第一声がそれだった。
これがこれから先、嬉しくもない付き合いになる設楽副社長との出会いだった。
そう言って柿元さんは私に頭を下げる。慌てて私も頭を下げて名乗る。
「都筑橙花と申します。穂積不動産株式会社総務部に所属しております。早速ですが、私に頼みたいこととはなんでしょうか?」
やはりそれが一番気にかかる。問題を後回しにするのは苦手だ。
早く解決して早く元の職場に戻りたい。残してきた仕事が気になる。今日は直帰でかまわないと言われていたけれど、もしかしたら早く終わって戻れるかもしれない。
「俺の婚約者だよ」
私の顔を覗きこみながら、ニッコリと魅力的な笑顔で副社長が言い放つ。
「……は?」
たっぷり十秒間ほどその言葉を考えて、出た第一声がそれだった。
これがこれから先、嬉しくもない付き合いになる設楽副社長との出会いだった。