独占欲強めな御曹司は、ウブな婚約者を新妻に所望する
項垂れた私を姉はニッコリと見惚れるような笑顔で見た。
「橙花ちゃんは変われるわ! メイクも服のコーディネートだって教えてあげる。私の自慢の妹なのよ。誰よりも可愛いわ。それにね、恋愛なんてしようと思ってするものじゃないんだから」
「代理婚約者のこと、怒ってたんじゃないの?」
おずおずと尋ねる私。
「怒ってるわよ、相談してくれなかったことも何もかも。でも元はといえば蒼と私にも原因はあるでしょ。大事な妹の悩みに気づかなかったのだから。ううん、見て見ぬふりをしていたのだから」
ほんの少し申し訳なさそうに姉が言う。
姉は本当に真っ直ぐだ。自分が悪いと思ったことは潔いくらいにすぐに認める。私みたいに理由をつけて逃げたりはしない。そんなところも憧れる気質だ。
「ううん、お姉ちゃんは悪くないよ。私が言わなかったんだし、拗らせちゃったんだもん」
慌てて返答するも姉は首をゆっくり横に振る。
「それでも私はあなたの姉なの。蒼と私には可愛い妹を守る義務があるのよ。それにその人、信用できる人なんでしょ」
先程の態度から一転して、あっさりと言い放つ姉に私が驚く。
「え、なんで」
「だってそんな橙花ちゃんの顔は初めて見たもの」
顔? 顔ってどんな顔? 私、副社長のことを話している時、不貞腐れた顔しかしていないと思うのだけど。
フフッと姉が楽しそうに微笑む。
「なんていうのかな? 楽しくて、その人が大事で仕方ないって顔」
「まさか‼」
「橙花ちゃんは変われるわ! メイクも服のコーディネートだって教えてあげる。私の自慢の妹なのよ。誰よりも可愛いわ。それにね、恋愛なんてしようと思ってするものじゃないんだから」
「代理婚約者のこと、怒ってたんじゃないの?」
おずおずと尋ねる私。
「怒ってるわよ、相談してくれなかったことも何もかも。でも元はといえば蒼と私にも原因はあるでしょ。大事な妹の悩みに気づかなかったのだから。ううん、見て見ぬふりをしていたのだから」
ほんの少し申し訳なさそうに姉が言う。
姉は本当に真っ直ぐだ。自分が悪いと思ったことは潔いくらいにすぐに認める。私みたいに理由をつけて逃げたりはしない。そんなところも憧れる気質だ。
「ううん、お姉ちゃんは悪くないよ。私が言わなかったんだし、拗らせちゃったんだもん」
慌てて返答するも姉は首をゆっくり横に振る。
「それでも私はあなたの姉なの。蒼と私には可愛い妹を守る義務があるのよ。それにその人、信用できる人なんでしょ」
先程の態度から一転して、あっさりと言い放つ姉に私が驚く。
「え、なんで」
「だってそんな橙花ちゃんの顔は初めて見たもの」
顔? 顔ってどんな顔? 私、副社長のことを話している時、不貞腐れた顔しかしていないと思うのだけど。
フフッと姉が楽しそうに微笑む。
「なんていうのかな? 楽しくて、その人が大事で仕方ないって顔」
「まさか‼」