独占欲強めな御曹司は、ウブな婚約者を新妻に所望する
「兄貴は俺と紫さんの交際に反対なんだ。兄貴は交友関係も広い。紫さんのよからぬ噂も色々聞いているようで、俺が紫さんに一目惚れした頃からずっと反対してきた」
お姉ちゃんのよからぬ噂……言いたいことはわかる。
「失礼よね? 私、付き合っている時には浮気はしないし、コンパにだって行かないっていうのに。ちょっと交際期間が短い人だっていたけど、それだけなのに」
姉は憤慨している。
多分それだけが問題なのではないのだろうけど。私は小さく頷いて彼に話しかける。
「悪女に大輝さんが引っかかってると、煌生さんは認識しているってことですよね?」
「橙花ちゃん、ひどい!」
姉がぷうっと頰を膨らまして抗議しているが、そこは無視する。彼は苦笑しながら頷く。
「同い年なんだし、敬語は必要ないよ。両親からは紫さんとの交際について特に何も言われなかったけど、兄貴が懐柔してしまう恐れがあるから。兄貴はやると決めたことはやり通す人だ」
そう言って彼は姉の左手をギュッと握った。姉は静かに微笑む。
「敬語は、じゃあお言葉に甘えます……すぐには直せないかもしれませんが」
私が小さな声で返事をすると、彼が頷いた。それから話を続ける。
「兄貴なら簡単に俺たちの仲を妨害することが可能だ。俺も過去随分女の子と遊んできたからね、あんまり信用ないんだよ」
困ったように大輝さんが溜め息を吐く。
実の弟にこの散々な言われよう、あの人は一体どんな風に反対してきたのだろう。
大輝さんもさらっととんでもないことを言ってるけど、結局姉と大輝さんは似た者同士な過去があって分かり合えてるということなのだろうか。
お姉ちゃんのよからぬ噂……言いたいことはわかる。
「失礼よね? 私、付き合っている時には浮気はしないし、コンパにだって行かないっていうのに。ちょっと交際期間が短い人だっていたけど、それだけなのに」
姉は憤慨している。
多分それだけが問題なのではないのだろうけど。私は小さく頷いて彼に話しかける。
「悪女に大輝さんが引っかかってると、煌生さんは認識しているってことですよね?」
「橙花ちゃん、ひどい!」
姉がぷうっと頰を膨らまして抗議しているが、そこは無視する。彼は苦笑しながら頷く。
「同い年なんだし、敬語は必要ないよ。両親からは紫さんとの交際について特に何も言われなかったけど、兄貴が懐柔してしまう恐れがあるから。兄貴はやると決めたことはやり通す人だ」
そう言って彼は姉の左手をギュッと握った。姉は静かに微笑む。
「敬語は、じゃあお言葉に甘えます……すぐには直せないかもしれませんが」
私が小さな声で返事をすると、彼が頷いた。それから話を続ける。
「兄貴なら簡単に俺たちの仲を妨害することが可能だ。俺も過去随分女の子と遊んできたからね、あんまり信用ないんだよ」
困ったように大輝さんが溜め息を吐く。
実の弟にこの散々な言われよう、あの人は一体どんな風に反対してきたのだろう。
大輝さんもさらっととんでもないことを言ってるけど、結局姉と大輝さんは似た者同士な過去があって分かり合えてるということなのだろうか。