独占欲強めな御曹司は、ウブな婚約者を新妻に所望する
一番の存在。その言葉がずっしりと重く胸に響いた。
「私は大輝くんの一番になりたいの、どんな時も。大輝くんの全部を独り占めしたいの」
照れもせず、優しい眼差しで姉が言う。
「……それはふたりの気持ちが通じ合ってるからじゃないの? ふたりが出会ってから時間も経ってるし……」
私の声が思った以上に弱々しく響く。
「まさか! 時間は問題じゃないの。何もせずに気持ちは相手に伝わらないわ。皆、不安を抱えて、必死に相手に気持ちを伝えるの。大切な人の一番になりたいから。一番になるために。少なくとも私はずっとそうしてきたわ」
肩にかかった髪を後ろに払いながら、姉が目を細くして笑う。
「……どうしてそこまでできるの? お姉ちゃんは大輝さんに対して気後れしないの? 世界が違うって思わないの?」
「好きだから。一緒にいたいの。それしかないわ」
姉の答えは簡潔だった。そしてその言葉は思った以上に私の胸に深く刺さった。
「住んでいる世界が違うと思わないと言ったら嘘になるわ。でも、甘い考えと言われてもそんなことのせいで彼を好きな気持ちを諦めたくないの。後悔したくないのよ」
凛とした表情で話す姉はとても綺麗だった。
好き。
その二文字が意味することはとても重たい。
アイスが好き、というような軽いものじゃない。
異性を好き。それは恋をしているということ。片思いをしているということ。
私が彼の一番になりたいと認めれば、それは彼に「恋」をしているということになるの?
私は彼の一番になりたいの?
「私は大輝くんの一番になりたいの、どんな時も。大輝くんの全部を独り占めしたいの」
照れもせず、優しい眼差しで姉が言う。
「……それはふたりの気持ちが通じ合ってるからじゃないの? ふたりが出会ってから時間も経ってるし……」
私の声が思った以上に弱々しく響く。
「まさか! 時間は問題じゃないの。何もせずに気持ちは相手に伝わらないわ。皆、不安を抱えて、必死に相手に気持ちを伝えるの。大切な人の一番になりたいから。一番になるために。少なくとも私はずっとそうしてきたわ」
肩にかかった髪を後ろに払いながら、姉が目を細くして笑う。
「……どうしてそこまでできるの? お姉ちゃんは大輝さんに対して気後れしないの? 世界が違うって思わないの?」
「好きだから。一緒にいたいの。それしかないわ」
姉の答えは簡潔だった。そしてその言葉は思った以上に私の胸に深く刺さった。
「住んでいる世界が違うと思わないと言ったら嘘になるわ。でも、甘い考えと言われてもそんなことのせいで彼を好きな気持ちを諦めたくないの。後悔したくないのよ」
凛とした表情で話す姉はとても綺麗だった。
好き。
その二文字が意味することはとても重たい。
アイスが好き、というような軽いものじゃない。
異性を好き。それは恋をしているということ。片思いをしているということ。
私が彼の一番になりたいと認めれば、それは彼に「恋」をしているということになるの?
私は彼の一番になりたいの?