独占欲強めな御曹司は、ウブな婚約者を新妻に所望する
「これまで利用してくださったお客様や当社の社員を対象にアンケートはとったが、纏まりがないんだ」
「そうなんですか」
彼に渡されて私はアンケート結果に目を落とす。確かに不満足を表しているお客様は少ないし評判は上々。けれど意見が特にない状態というのはなかなか難しい。
「アンケート対象を女性限定にしてみて、本社だけではなく、私の勤務先やもっとたくさんの方に回答していただいたらいかがですか? 男尊女卑ではないですけど、結婚式に拘りをもつのはやはり女性の方だと聞きますし。対象者が増えると作業も大変になるとは思いますが……」
社内のアンケートと街の一般の声では違うものがあるだろう。さらに女性の方がやはり憧れや希望が多いと以前結婚式に招待された時に話を聞いたことがある。
女性ならば理想の結婚式の姿を描いている人は少なくないだろう。男性にももちろん希望や理想はあるだろうけれど、女性のほうが具体的なものが多いのではないだろうか。
「……そうだな」
彼が少し楽しそうに瞳を輝かせる。この人は仕事が困難であればあるほどやりがいを見出せるのだろう。
「それで考えてみる。ありがとう、橙花」
眩い微笑みを向けられて、恥ずかしくなる。
「出かける準備をしよう」
そう言ってくれる彼に、私は慌てて言う。
「あのっ、私にお手伝いさせてください! 忙しいんですよね? 私、今すぐでかけたい場所も特にないですから」
私の言葉に彼は瞠目する。
「いや、今日は休日だろ? 橙花が仕事をする必要はないよ」
「それを言うなら煌生さんもです。どうせまた私が帰った後や深夜に作業されるんでしょ?」
ジロリと睨むように彼を見ると図星だったのか、彼片眉を下げた。
「そうなんですか」
彼に渡されて私はアンケート結果に目を落とす。確かに不満足を表しているお客様は少ないし評判は上々。けれど意見が特にない状態というのはなかなか難しい。
「アンケート対象を女性限定にしてみて、本社だけではなく、私の勤務先やもっとたくさんの方に回答していただいたらいかがですか? 男尊女卑ではないですけど、結婚式に拘りをもつのはやはり女性の方だと聞きますし。対象者が増えると作業も大変になるとは思いますが……」
社内のアンケートと街の一般の声では違うものがあるだろう。さらに女性の方がやはり憧れや希望が多いと以前結婚式に招待された時に話を聞いたことがある。
女性ならば理想の結婚式の姿を描いている人は少なくないだろう。男性にももちろん希望や理想はあるだろうけれど、女性のほうが具体的なものが多いのではないだろうか。
「……そうだな」
彼が少し楽しそうに瞳を輝かせる。この人は仕事が困難であればあるほどやりがいを見出せるのだろう。
「それで考えてみる。ありがとう、橙花」
眩い微笑みを向けられて、恥ずかしくなる。
「出かける準備をしよう」
そう言ってくれる彼に、私は慌てて言う。
「あのっ、私にお手伝いさせてください! 忙しいんですよね? 私、今すぐでかけたい場所も特にないですから」
私の言葉に彼は瞠目する。
「いや、今日は休日だろ? 橙花が仕事をする必要はないよ」
「それを言うなら煌生さんもです。どうせまた私が帰った後や深夜に作業されるんでしょ?」
ジロリと睨むように彼を見ると図星だったのか、彼片眉を下げた。