僅か30センチの恋
涼美「何これ?どうやって開けるの?」
李人「さぁ?」
涼美「くっそー!リトのくせに!」
李人「諦めて飲んだら?」
しばらく喚いていたスズは
諦めたのか大人しく
ソファベッドに腰掛けてくれた。
李人「まだ飲むなら持ってくるけど。」
涼美「いい。いらない。」
李人「あー、そっか。
明日はケンちゃんとデートだ。」
涼美「明穂、そんな事まで喋ったの?」
李人「洗いざらい全部ね。
駅に着くまでの電車の中は
ずーっとその話。」
スズはため息をついた。
珍しかった。いつもなら
デートの前日は耳にタコが
出来るほど恋人の話を聞かされるのに。