僅か30センチの恋

電車に乗り2駅先の見慣れた
改札を通り抜けた俺たちは
また無言で歩き出す。

誰も褒めてはくれないけど
スズだけは俺の事を褒めてくれる。

拒絶されるかもしれないけど
嘘をついた事を咎められるかも
しれないけど、もう一度
きちんとスズに伝えたい。

俺が本当に好きなのは
スズしかいないと。

李人「スズ、あのさ...」

そんな俺の言葉を遮るかのように
遠くの方で花火が打ち上がる。

涼美「わ、花火!綺麗ー!
どこかでお祭りでも
やってるのかな?」
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