僅か30センチの恋

李人「ああ、そんな事もあったっけ。」

なんて、とぼけたフリをしてみたけど
その日の事は今でも鮮明に覚えている。

心のどこかで俺は
スズが彼氏と別れればいいのにと
思っていたから。

涼美「わたあめと焼きそばとかき氷。
ベビーカステラに唐揚げ。
帰りにりんご飴買ってくれた。
全部、私の好きな物ばっかり。
あれ食べたいとか言わなくても
リトは私の事何でも知ってる。」

俺にとっての醜い嫉妬心の固まりは
スズの綺麗な思い出になっていた。

どんなマイナスな事さえも
プラスに変えてしまえる所が
スズのいい所。

やっぱり俺はスズ以外の
誰の事も好きになれない。
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