僅か30センチの恋

李人「とりあえず、ここ座って。
水持ってくるから。」

スズをベッドに座らせ
冷蔵庫からミネラルウォーターを
取り出すとスズの元へと戻った。

李人「スズ。大丈夫...」

俺が部屋へ戻るとスズは
一粒の涙を流しながら
すやすやと眠っていた。

その涙を手ですくうと
ンンッと寝返りを打つ。

涼美「...リトの...バカ...」

夢の中なのか俺へ向けて
言ったのかは分からない。

だけど、その時ハッキリ分かった。

俺の望みはスズの彼氏に
なる事じゃなかった。
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