僅か30センチの恋
涼美「やっぱり飲む!」
李人「はいはい。」
涼美「早く!ビール持ってこーい!」
いつもの事だけど。
やっぱり今日もスズは
好きなだけ喋って
好きなだけ恋人の自慢話をして
好きなだけ酒を飲んで
俺のベッドで眠っていた。
いつもの事だけど本当に
スズは俺の事を男として
見てないんだな。
涼美「ケンちゃん...好き...」
何でスズが幸せになれないんだろう。
そりゃあ口は悪いし子供っぽいし
すぐに怒るしすぐに泣くし
人の事は思いっきり殴るし
部屋は散らかすし、危なっかしいけど
スズといるといつも楽しいし
いつも自然と笑っているし
もちろん優しい心も持っているし
心配もしてくれる。何よりも
毎日のように大好きだと言われて
何でそれを嬉しいとは
思えないのだろう。
何で、それが重荷になるのだろう。
好きな人からの大好きは
何物にも変え難い宝物のような
言葉にはならないのだろうか。