僅か30センチの恋

涼美「なかなか帰って来ないから
ビール、ぬるくなっちゃった。」

両手にビールを持つスズは
俺にとっての太陽だった。

梅雨であろうと夏であろうと
秋であろうと冬であろうと
春であろうと関係ない。
いつでもスズは俺を照らす太陽なんだ。

涼美「新しいの持ってくるから。
一緒に飲もうよ。」

李人「うん。」

ビールを取ってきたスズは
ベランダの隙間を乗り越える。

李人「ん。」

スズの手にあったビールを
受け取りもう片方の手を差し出すと
またスズは笑顔になった。

涼美「お!今日は甘やかすリトだ。」

俺の手を握ったスズは
ベランダに着地すると
ビールのプルトップを開け突き出した。
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