僅か30センチの恋
涼美「今日もお疲れ様。」
李人「うん、お疲れ。」
ありきたりな缶ビールも
スズと飲むと美味しく感じる。
涼美「やっとだね。」
李人「何が?」
涼美「リトにお礼しなきゃって
毎日待ってたのに、最近リト
全然ベランダに出て来ないから
もう3日も経っちゃったよ。」
李人「ん?何のお礼?」
涼美「私が酔い潰れて寝ちゃった日。
リトは迷惑かけてないよ。って
言ったけど、絶対迷惑かけてるよ。
私はいつも迷惑かけてばかりだもん。」
李人「そんな事ないよ。」
そんなスズの嬉しい言葉でさえ
素直に嬉しいとは思えない。
例え、スズが俺にとっての
太陽だったとしても
分厚い雲に覆われた今の俺の心は
晴れなかった。