僅か30センチの恋

頭の中ではずっと萱島さんの事ばかり
考えていた。

聖夜に救われ、スズに癒されると
大抵の事は乗り切れる俺なのに
電話口の萱島さんの声とか
さっき感じた気持ちとかを
思い出すと今回ばかりは
乗り切れそうになかった。

今日の俺じゃ上手くスズに
気持ちを伝えられない。
上手くスズに笑いかける事が出来ない。
告白はまた今度にしよう。

今は...誰ともいたくない。
例えそれがスズだとしても。

李人「お礼は確かに受け取った。
ありがとう、涼美。
もう遅いから。今日はお開きにしよう。」

いつもなら、じゃあまた明日ね!って
言うスズが心配そうに問いかけた。
< 147 / 230 >

この作品をシェア

pagetop