僅か30センチの恋

涼美「忘れないよ。同じじゃないよ。
私が怖かったのは...幼馴染で
いられなくなるからじゃないよ。」

ほんの少しだけスズの目に
涙が溜まっていた。

涼美「リトに嫌われちゃったら
嫌だから怖くなったんだよ。」

李人「何を、今更...。
俺はどんなスズを見ても
嫌いになんてならないよ。」

涼美「うん。でもね、自信がないよ。
今度こそは上手く行く!って
信じてみても結局ダメだったし
何か...ちょっとだけ信じるの
怖くなっちゃった。」

スズの気持ちをなんとなく
理解した瞬間
俺の中の全てがリセットされた。

萱島さんの事もスズの事も。
今までの毎日も。
全部全部、白紙に戻った。
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