僅か30センチの恋

萱島「え?」

李人「萱島医院は町の皆のものですから。
ここに来る度にいつも思うんです。
萱島医院がなくなればこの町の人は
困るんだろうなって。今日、初めて
待合室で待たせてもらって
俺の想像は確信に変わりました。
皆が萱島さんを頼ってる。
皆が萱島さんを信頼している。
萱島さんは、その信頼を
期待を裏切るような人じゃない。」

心の底から思った事を
ありのまま言葉にした。

萱島「驚きました。
木山さんがそんな風に
思って下さっていたとは。」

萱島さんは箸を置き
真っ直ぐ、俺の方を見た。
< 183 / 230 >

この作品をシェア

pagetop