僅か30センチの恋
軽井沢に着いた頃には
本格的に雨が降り出していた。
李人「この大雨の中
本当に観光しに行くの?」
涼美「せっかく来たのに
観光しなきゃ勿体ないよ!」
記憶や思い出はすぐ傍にある。
スズとの記憶は
いつでも手の届く場所にある。
涼美「あそこ行こうよ!」
李人「あそこって?」
涼美「護おじちゃんの別荘!」
でも、それは俺だけじゃないみたいだ。
李人「あそこはもう
護おじちゃんの別荘じゃない。」
涼美「知ってる。でも、行きたい!」
スズのワガママにため息をつきながらも
車を走らせ俺の叔父さんが
所有していた別荘へとやって来た。