僅か30センチの恋

涼美「何でなのかな?って考えてみた。
だってさ、手っ取り早いよ。
新しく出会って一から関係を
築き上げて付き合うのって時間も
かかるし面倒だから、リトと
付き合う方が手っ取り早い。
でも、きっと、ずっとずっとリトの事は
手放したくなかったんだよね、私。
恋人じゃなくていいから友達でも
幼馴染でもどんな形でもいいから
リトにはずっとそばにいて
欲しかったんだよね。」

スズの手が俺の頬に触れる。

涼美「間違ってないよ。何も。
私さ、幸せなんだ。
リトと付き合ってからの毎日が
今までの人生の中で1番幸せ。
何で、気付かなかったのかな?
私の事を幸せにしてくれる人は
1番近くにいたのにね。」

その手の温もりが俺の
ネガティブさを取り払った。

涼美「自信持ちなさい!
リトは世界で1番いい男。
私の大好きな人だから。」

ああ、やっぱり俺は
スズの事が大好きだ。
この人とこれから先もずっと
一緒にいたいと思った。
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