僅か30センチの恋
それからは...スズがうちに来る事はあっても
俺がスズの家に来る事はなくなった。
思春期だからなのか
その頃からスズが彼氏を
取っかえ払っかえしていたからなのかは
分からないけど、俺はいつの間にか
スズの家に来る事を避けていた。
でも、やっぱりスズの家族だ。
長い年月が経っていても
俺の事を本当の家族のように
出迎えてくれる。
だから、いつの間にか
俺は中学生の頃に戻ったみたいに
楽しく会話していた。
おじさんともおばさんとも
家族のように会話していた。
母「せっかくだから
李人くんが買ってきてくれた
ケーキ食べましょうか。
李人くん、いただくわね。」
夕飯も終わり、ソファで
ほっと一息ついていると
おばさんは俺が買ってきた
ケーキの箱を開けた。