僅か30センチの恋
父「李人くん、一緒にどうだい?」
李人「いただきます。」
おじさんは俺にビールを
手渡すと掃き出し窓を開け
庭を眺め始めた。
俺だけソファに座ってるのも
気が引けて、その隣に座った。
父「不思議な感じだね。
昔はこの庭で涼美と一緒に
遊んでた李人くんと酒を飲むのは。
私も歳をとる訳だ。」
懐かしそうな笑みを浮かべ
おじさんはそう言った。
李人「おじさんとはもう25年の
付き合いになるんですね。
正直、子供の頃の事はあまり
覚えてませんけど今と変わらない
おじさんの優しい笑顔だけは
ずっと記憶に残ってます。」