僅か30センチの恋

ビールを一口飲み
1つ聞いてもいいかい?と尋ねた。

父「どうして涼‪美だったんだ?」

李人「理由はないです。
でも、スズが良かったんです。
子供の頃からずっとスズがいいんです。」

父「そうかい。」

おじさんは立ち上がり
テレビの脇にある戸棚から
1枚の封筒を取り出した。

父「これ、晴政から預かったんだ。」

晴政とは俺の親父の事。
スズと付き合ったと伝えた時も
課長に昇進したと伝えた時も
大したリアクションをしなかった
親父が何故、おじさんに
手紙なんて渡したんだろう。
< 219 / 230 >

この作品をシェア

pagetop