僅か30センチの恋
李人「おじさん。
俺の夢...聞いて貰えますか?」
父「ああ、聞くよ。」
李人「小さな庭付きの一戸建て。
土曜日まで休日出勤だった俺は
日曜日の朝にスズと子供の
元気なはしゃぎ声で目覚めるんです。
ああ、いい朝だななんて思いながら
カーテンを開けると2人が
俺に向かっておはようって言うんです。
在り来りな平凡な夢だけど
それが最大の幸せなのかなって思います。」
おじさんはやっぱり優しい
笑みを浮かべながら
俺の話を聞いてくれた。
李人「きっとすごく
叶えるのって難しいと思うんですけど
絶対にその夢だけは叶えます。
...だから、俺...スズに
プロポーズしてもいいですか?」
父「楽しみに待ってるよ。
李人くんの夢が叶うその日を。」
おじさんはいいともダメとも
言わなかったけど
きちんと俺の問いに答えてくれた。